著名人対談


vol.10

最短距離で最大の成果を生み出す
リーダーの知恵

佐々木常夫(東レ経営研究所 特別顧問)
1944年秋田市生まれ。1969年東大経済学部卒業、同年東レ入社。自閉症の長男とうつ病の妻を持ち、育児、家事、介護に追われる中で、破綻会社の再建や事業改革に従事。2001年、同期トップで取締役、2003年、東レ経営研究所社長、2010年、同社特別顧問に就任。現在は、内閣府の男女共同参画会議議員などの公職も務める。
著書は『ビッグツリー』(WAVE出版)など多数。2011年にビジネス書最優秀著者賞を受賞。
佐々木常夫氏 × 青木仁志 アチーブメントクラブニュース vol.122より

1944年秋田市生まれ。1969年東大経済学部卒業、同年東レ入社。自閉症の長男とうつ病の妻を持ち、育児、家事、介護に追われる中で、破綻会社の再建や事業改革に従事。2001年、同期トップで取締役、2003年、東レ経営研究所社長、2010年、同社特別顧問に就任。現在は、内閣府の男女共同参画会議議員などの公職も務める。
著書は『ビッグツリー』(WAVE出版)など多数。2011年にビジネス書最優秀著者賞を受賞。

経営者が志を持って動かない限り会社は変わらない

佐々木常夫氏 佐々木私は東レで20を越える赤字の事業や会社を黒字にしてきましたが、赤字を黒字にすることほど 簡単なことはありません。よく「選択と集中で、3年赤字が続いたらやめるべきだ」と言う人がいます。東レの炭素繊維は13年間赤字で、欧米企業はすべて撤退しました。ところが今、東レの屋台骨を支える事業になっています。赤字続きでも、この素材は必ずモノになるという、経営者や技術者の執念の結果です。選択と集中を言い訳に、やることもやらずに辞めるのは良くないと思いますね。経営は生き物で、黒字にするセオリーはあっても、経営のセオリーはありません。強い会社がみんな同じような戦略をとっているわけではありません。稲森和夫さんは日本航空の再建でアメーバー経営を導入しましたが、これが機能しているのも、日本航空に合わせた運用を行っているから。600のセグメントに分けて、赤字か黒字かを判断し、赤字のところをやめていく。以前はどんぶり勘定だったので、手の打ちようがなかったのですが、現実を把握して問題を明らかにすれば、対策が打てるのです。経営者がやらなくてはならないのは、現実をきちんと把握し、自社に合った戦略を打つことです。ただ真似るだけでは、意味がないんです。

青木それはポイントですね。少し話は変わりますが、私は長く人材教育に携わってきて、世の中の様々な問題の本質には、不満足な人間関係が引き起こす不幸感があると考えています。内発的な動機ではなく、批判する、文句を言う、罰を与えるなど苦痛を与えて人をコントロールすることにより、家庭、学校、職場で人間関係に葛藤が生じ、結果的にそれが人間関係やチームワークを壊すのです。管理者や指導的立場にある人がより良いマネジメントの技術を体得すれば、同じチームでももっとパフォーマンスを発揮できるのではないか、と考えていますが、日本各地で教育や講演をされている佐々木様は、その点についてどのようにお考えですか。

佐々木私の担当するチームでは、私がいる間は残業がなくなっても、いなくなればあっという間に元に戻ります。後任者が私のやり方を踏襲しないからです。部下が私のやり方に賛同したとしても数は知れており、何千人に影響を及ぼすことはできません。会社を変えられるとすれば、トップが“決意と覚悟”をもって仕組みを変えていくしかありません。その意味では、今の日本の会社はほったらかし状態なのかもしれませんね。

青木仁志 × 佐々木常夫氏 青木なるほど。ありがとうございます。それでは最後に、読者に向けてメッセージをいただいてもよろしいでしょうか。

佐々木なぜ決意と覚悟を持たないかというと、幸せになろうという意欲が弱いからだと思うんです。自分は幸せになろう。 自分の人生だ。自分を高めていこう。そう思えば行動に移れる。みんな、もっと幸せになれるのだから、もっと頑張ればいい。私はかなりしんどい思いをしてきましたが、頑張った結果、家族もよみがえり、仕事でも成功し、本まで売れました。私は強烈に自己愛を持ち、幸せになりたいと思っていたから、人より多くのトライをしてきたわけです。その結果、幸せを得ることができました。私の家族にはとても強い絆があります。子供たちと一緒に旅行し、食事の時には会話がずっと途切れません。家族が大変な時に私が頑張ったから、家族もそれに応えてくれてるんだと思います。本当に幸せです。幸せは自分でつかみ取れる。だからこそ、自分の手で幸せをつかみなさい。そう、お伝えしたいですね。

青木佐々木顧問の実体験からくるメッセージに心が熱くなりました。今後のご活躍を心よりお祈り申し上げます。本日はありがとうございました。

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