著名人対談


vol.13

売上100億円企業に学ぶ
組織繁栄の秘訣

金子和斗志(アイ・ケイ・ケイ株式会社 代表取締役社長)
佐賀県伊万里市出身。1995年に同社を設立し、2000年佐賀県鳥栖市に、九州初となるゲストハウス型ウェディング施設を開業。2010年に大阪証券取引所JASDAQ市場、2012年に東京証券取引所市場第2部に上場。2013年に東京証券取引所市場第1部銘柄に指定。現在は全国13都市に15施設を展開し、海外進出も含めて更なる成長を目指している。著書に『サービスの精神はありがとうから生まれる』(コスモ教育出版)がある。
金子和斗志氏 × 青木仁志 アチーブメントクラブニュース vol.124より

佐賀県伊万里市出身。1995年に同社を設立し、2000年佐賀県鳥栖市に、九州初となるゲストハウス型ウェディング施設を開業。2010年に大阪証券取引所JASDAQ市場、2012年に東京証券取引所市場第2部に上場。2013年に東京証券取引所市場第1部銘柄に指定。現在は全国13都市に15施設を展開し、海外進出も含めて更なる成長を目指している。著書に『サービスの精神はありがとうから生まれる』(コスモ教育出版)がある。

ピンチをチャンスに変え、繁栄に結び付ける

青木これまで企業経営をされてきて、一番の壁となったことは何でしょうか。

金子一番を決めるのは難しいのですが、まず挙げられるのが、事業を始めたばかりの時のことです。昭和57年10月にホテルを開業し、ウェディング事業を開始したその翌年に、伊万里の小さな町に、投資規模がケタ違いに大きな競合2社が同時に進出してきたのです。私は根拠もないのに、「先手必勝」で何とかなるだろうと信じ、それから1年半は休まず必死に働きました。

青木競合参入の影響で、売上げは減りましたか。

金子実はそれほど響きませんでした。地域の皆様、そしてスタッフに支えられたのだと思います。

もう1つは、平成5年に起こしてしまった食中毒事件です。その時、私は中国の視察旅行で不在だったのですが、すぐさま帰国。その翌朝には、地元のテレビや新聞で大々的に報じられていました。すぐに被害者の方と連絡をとり、その婚礼に出席されていた350名のお客様全員にお詫び状を出し、具合が悪くなられた方や新郎新婦様、御両親様に謝罪に伺いました。その他の婚礼の予約をいただいていた125組のお客様にも、営業担当者が説明に回りました。すると幸いにも、1件もキャンセルは出なかったのです。私も断られることを覚悟してお客様のもとに伺うと、先方は「もう2度と同じ事件は起こさないだろうから、お宅に予約します」とおっしゃってくださいました。

そうした信頼に応えるために、厨房の構造をすべて見直しました。隣に3階建ての厨房ビルを建て、食器洗浄・刺身の調理場・盛り付け場所・倉庫などをすべて分けて、衛生管理を徹底させたのです。この時の苦い経験が、後のISO22000認証取得(福岡支店)に繋がったと考えています。

青木ピンチをチャンスに変えて繁栄につなげるところが、金子流経営法ですね。

金子和斗志 金子二度と起こさないという覚悟で、スタッフが奮起してくれたのです。こうした数々の失敗を通じて感じたのが、ステップアップする時には、何らかの歪みが生じる、ということです。そこで無理をすると、必ず弊害が起こります。

たとえば、最初の伊万里グランドホテルのキャパシティーでは、1日4組の結婚式が最大だったのですが、平成3年に建てた伊万里迎賓館では、1日に最大14組が挙式できるようになりました。それだけ一気に拡大すると、さすがに現場は大混乱に陥り、夜のお客様に料理がほとんど出ていない、なんてことも起こったのです。企業が大きくなっていく時には、無理をしてはいけません。同じことをやり続けるだけでは進歩はありませんが、今までやってきたことの延長で、1つか2つ新しいことを行いながら、3カ月から半年後に自分の想定する完全な状態に持っていく。それだけの期間をとれば、スタッフが施設に慣れ、使い勝手もわかってきます。そういうプロセスを踏むことが大切だとわかりましたね。

青木経営には正解はありませんが、試行錯誤しながら、正解に近づいていく道のりなのだと、つくづくと感じますね。松下幸之助氏も「適正経営」という言葉で、「器を大きくしながらも、自分の器に合った経営をすることが大事だ」とおっしゃっていますが、金子社長はまさにそれを実践されていらっしゃるのですね。

最後になりますが、これまでを振り返って、東証一部上場の企業体にまで自社を育て上げられた最大の理由はどこにあるとお考えですか。

金子理由は4つあると考えています。1つ目は、理念経営の実践です。理念に共感している人財と共に、その実現に向けて努力する。理念実現を目指して現場で努力する人財が会社の発展を支えるのです。2つ目は、向上心のある人財を採用・育成する。国籍・性別・年齢及び経験に関係なく、能力が発揮できるよう適材適所で抜擢します。特に大事なのが、抜擢した人財に権限も渡すことです。たとえば、ウェディング事業では料理が非常に重要なのですが、社長の私は試食をしませんし、口出しも一切しません。決定権は、お客様に一番感覚の近い20~30代の女性スタッフにあり、ベテラン・シェフもそれに従います。3つ目は、ビジネスモデルとの出会いです。私はゲストハウス・ウェディングと出会い、これを日本で推し進めながら、海外にも進出していきたいと思っています。そして最後が、運です。この4つなくして、東証一部上場は果たせなかったと思います。

青木運とは、どういうものだと思いますか。

金子私は、運とは、自分が大事だと思うことに対して、1に努力、2に努力、3、4がなくて、5に努力することで手にすることができるものだと考えています。そして努力する中で、人とのご縁をいかにつくるか。人と人とのつながりが、経営やビジネスのつながりになっていくので、人とのご縁は特に大事だと考えています。

剣術で有名な柳生家の家訓に「小才は縁に出会って縁に気づかず。中才は縁に気づいて縁を生かさず。大才は袖すり合った縁をも生かす」とあります。つまり、出会った人はみな大事にすべきだということです。どんな方に対しても「誠実、信用、信頼」でお付き合いをしていかなければなりません。

青木お話を伺ってきて、金子社長は「誠実、信用、信頼」という生き方をまさに実践されていらっしゃるのだと感じました。大小を問わず企業経営者にとって、大切にしなくてはならない人としてのあり方について、示唆に富むお話をいただきました。本日はありがとうございました。

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