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FORVAL CAMBODIA 顧問・前代表取締役会長
水越 健晴氏
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アチーブメント株式会社 顧問 木俣 佳丈氏
- アチーブメント株式会社 代表取締役会長 兼 社長
青木仁志
[カンボジア支店開設記念特別鼎談]国境を越えた「人づくり」が経営者の志を磨く
※本文内の「邉」の文字は環境により表示が異なります。公式の表現では「邉」の「辶」の点が一つです。
アチーブメント株式会社のカンボジア支店開設にあたり、株式会社フォーバルカンボジアの水越顧問、弊社代表・青木、木俣顧問の特別鼎談を実施しました。言葉も文化も異なる海外展開は、単なる市場開拓にとどまりません。親日で日本の支援を受け入れる土壌を持つカンボジアでの挑戦は、現地のリーダー育成を通じ、経営者自身の「志」を磨く絶好の機会です。自社の利益や計算を超え、貢献の幅を広げることで企業はいかに飛躍するのか。海外進出がもたらす真の価値について語り合いました。
悲劇の歴史を持つ国で、教育の可能性を信じる

本日はカンボジア支店開所報告式にお越しいただき、誠にありがとうございます。フォーバルカンボジアの水越顧問には、準備段階から多大なるサポートをいただきました。心より感謝申し上げます。

こちらこそ誠にありがとうございます。アチーブメント社の大きな一歩のお力になることができて大変光栄です。
木俣本日は特別鼎談ということですが、まずはじめに青木社長、今回なぜカンボジアという地で新たな挑戦を決められたのでしょうか。

きっかけの一つは、カンボジアのキリロム工科大学(現 アジアイノベーション大学)から採用し、日本で活躍してくれた現地エンジニアたちの「受け皿」を作ることでした。毎年3名ずつ採用し5年になりますが、4年間の契約を終えて祖国へ戻るという選択をした彼らが、継続して活躍できる環境を用意してあげたかったのです。もう一つは、私たちが創業以来39年間追求してきた「教育の可能性」への思いです。カンボジアはポル・ポト政権下で知識人を中心に国民の4分の1もの人たちが惨殺されるという暗い歴史を持ちます。苦痛を与えて人をコントロールしようとする「外的コントロール」の究極の悲劇を経験した国だからこそ、私たちが提唱する「選択理論」に基づく教育が、国の再興に役立てると信じてきました。
木俣フォーバルの大久保会長や、ワタミの渡邉美樹会長との長年のご縁を通じた支援活動も背景にありますね。

ええ。渡邉さんが推進されている公益財団(SAJ)の評議員も務めており、これまでカンボジアには3つの校舎を寄贈し、孤児院の子どもたちの里親支援もずっと続けてきました。こうした友人関係やご縁のなかで、我々のミッションである「教育の力で世界を変える」という活動に力を入れていきたいという思いが重なったのです。

木俣青木社長が里親として長年支援されている少女のエピソードは、まさに教育の本質を象徴しています。初めは「将来は兵隊になりたい」と言っていたそうですね。

はい。身近のロールモデルがそれしかなかったからです。しかし今回、日本で活躍する当社のカンボジア人エンジニアと触れ合う機会がありました。自分と同じカンボジア人が輝いている姿を目の当たりにしたことで、彼女は「ITエンジニア」という新たな夢を描くようになったのです。それ以来、彼女は猛勉強を始め、公立高校でクラス1番の成績を収めるまでになりました。モデルとなる存在と出会えたからこそ、内なる願望が劇的に変わった。人は強制されるのではなく、自らの内発的な動機によってのみ変わるという証拠です。
木俣実は私の長男も、フォーバルさんの関連団体であるNGОのCIESFでのインターン経験を通じて教育の力に目覚め、今は文部科学省で小中学校の予算編成に携わるまでになりました。教育が人を変えるという事実を、私も身をもって実感しています。
文化の壁を越え、
現地リーダーを育てるマネジメントとは
木俣一方で、異文化の中で現地スタッフを組織化していくことは並大抵のことではありません。フォーバルカンボジア様は16年にわたり日系企業を支えておられます。水越顧問がカンボジアへ赴任された経緯をお聞かせください。

2010年の3月、当時社長だった大久保から突然「1週間あげるからカンボジアを見てきてくれ」と言われたのが始まりでした。当時の社員でその真意を理解していたものは限られていたと思います。私は外資系のIBM出身でニューヨーク駐在経験もあったため、社内の海外駐在経験者として白羽の矢が立ったのだと思います。 赴任を決断した最大のポイントは、独立記念塔近くにある公立の小学校を視察した時の光景でした。昼休みに子どもたちが制服のまま、裸足で燦々と輝く太陽の下へ遊びに出ていく姿を見たとき、「日本ではもう長い間見ていない姿だ」と圧倒的な未来を感じたのです。軽い気持ちで視察に来たこのカンボジアの地に、気づけば16年間駐在しています。日本の中小企業がカンボジアに新たな事業基盤を作るための礎となるようにとミッションを託されたフォーバルグループ第1号の海外現地法人の誕生です。
木俣まさにゼロイチでの立ち上げをされてきたのですね。ITエンジニア集団を0から育て上げるうえで、どのようなご苦労がありましたか?

当時、彼らはシステムの構築はできるが、作った後の「テストの方法」の設計と実行の経験が無い状態でした。そこでコンピューターの技術者だった私自身が現場に入り込み、「こうやって確認するんだよ」と仕事の向き合い方を伝えました。 そして彼らに「同じことをやっていると、来年の価値は今年の価値より低くなる。お客様に提供できる付加価値、さらには自分への報酬を上げたいなら、ちゃんと勉強しなさい」と言い続けました。その結果、お互いに切磋琢磨する環境ができ、現在約50名の社員のうち、5人が創業からの15年勤続社員、全体の3割が10年以上の在籍者となりました。昨年はついにカンボジア人の生え抜きの女性エンジニアが取締役に就任し、フォーバルグループとしても大きなマイルストーンとなりました。
木俣現在、カンボジアの日本人商工会には約260社が加盟し、半数は中小企業だと伺っています。そうしたスタッフの成長は、進出する日本企業側との相乗効果もあるのでしょうか。

間違いなくあります。我々の現地スタッフを育ててくれたのは、カンボジアに進出してきた日系企業の皆様です。お客様が苦労して事業を立ち上げる姿を、現地の社員が伴走支援しながら見る。その経験値やルールを共に学ぶことで、自然とレベルが上がっていくのです。カンボジアの日系企業コミュニティはまだまだ規模が小さいからこそ、互いに情報を交換し合う「共同体」のような良さがあります。
「計算」を超えた志と縁が、経営者の器を広げる
木俣カンボジアの次なる発展には、「自ら考える力を育む」ソフト面の教育が不可欠です。今後どのような貢献を考えているのかを教えていただけますか。

現在、私たちは「350の図書館をカンボジアに寄贈する」というプロジェクトをスタートさせ、今回、孤児院にその一つ目を作りました。渡邉美樹さんが作られた350の学校のうち、私自身も3つの校舎を建てさせていただきましたが、今後はハード面だけでなく、本などのソフトウェアを通じて教育を支援していきたいと考えています。
木俣先ほど紹介された里子の方のように、自ら人生を好転させていける機会が増えていきそうですね。そしてリーダーの輩出ということにも繋がりますね。

はい、アチーブメントは39年間にわたり、累計1万人の経営者教育を行ってきました。ゆくゆくはオンラインなども活用しながら、カンボジアで奮闘される商工会の経営者の皆様へ向けたサポートもご一緒できればと考えています。

それは非常にありがたいお話です。規模の大小に関わらず、起業家マインドを持った経営者の方々が「日本ではできないかもしれないアイディア」を実現していく場として、ぜひご一緒に仕事ができたらと思います。今日のお話を伺い、単なる事業計画の数字ではない、人と人との「柔らかい関係」がこの場所を作ったのだと強く感じました。これは我々にとっても新たなスタートです。

私も71歳になりましたが、残りの人生を少しでもご縁ある人たちに貢献できるように、一つ一つのことを大切にしていきたいと思っています。フォーバルの大久保会長、そして水越顧問とのお付き合いのなかで、この地に支店を開設できたことにも目に見えないご縁を感じています。
木俣素晴らしいですね。この「柔らかい関係」という言葉に、日本人の良さや、損得を超えた本当の日本企業の強さが表れていると感じます。「弱さは統合を生み、強さは分裂を生む」という言葉がありますように、互いに支え合いながら社会に貢献していく姿勢が何より大切です。これからの時代、ただ利益を追うだけの企業は生き残れません。海外という見知らぬ土地で現地の課題に寄り添い、自社の存在意義を深めていく。それは、中小企業が取り組むべき本質的な「成長戦略」と言えるのかもしれません。

まさに私もそのように思います。企業は経営者の器以上には成長しません。どこまでも、経営者が自社の存在意義とは何かを深く考え続け、追求し続けることに、永続的な発展をし続けていける原点があるのだと思います。本日はこの大切なことを再確認できた時間でした。誠にありがとうございました。
TOPICS
カンボジアでの活動ダイジェスト
今回のカンボジア訪問は、アチーブメント社内の選抜メンバーによる海外研修も兼ねて実施されました。カンボジア支店開設の式典以外にも、現地の方々と直接触れ合い、未来へ向けたさまざまな活動を行いました。本年12月にはJPSAの有志メンバーでの訪問も企画予定です。さらなる貢献の輪を広げてまいります。
1カンボジア副首相兼教育・青少年・スポーツ大臣を表敬訪問
SAJ様からのご縁で、カンボジアの未来を牽引する教育の重要性について、ハン・チュオン・ナロン副首相と対談。国のインフラ整備だけでなく、教育を牽引する次世代リーダーや経営者を育成するためのソフト面でのトレーニングの重要性について、深く意見を交わしました。
2カンボジア日本大使館を表敬訪問
親日であり、日本からの支援を広く受け入れる土壌を持つカンボジアにおいて、次世代のリーダー育成は国家の急務です。日本大使館への表敬訪問では、両国の連携と、日系企業が提供できる本質的な教育支援の可能性について、永瀬賢介公使と、JETRO・JICAのご担当者様も交えて語り合いました。
3孤児院へ図書館を設立し、1,500冊を寄贈。「未来を創る」ワークショップを開催
SAJ様を通じて推進する「350の図書館創設プロジェクト」の第一歩として、ポーサット州の孤児院『夢追う子どもたちの家』へ図書館を設立。1,500冊の本を寄贈するとともに、現地の子どもたちと自身の夢を画用紙に描くワークショップを実施。単なる支援ではなく、自ら夢を描き達成する力を育む教育を届けています。
外資系IT企業を経て、2010年にフォーバルグループ初の海外現地法人設立のためカンボジアへ赴任。15余年にわたり日系企業の進出支援や現地企業とのビジネス交流を牽引。2023年度にはカンボジア日本人商工会会長を歴任し、両国の発展に貢献。







