最高の上司

私の職業はプロの能力開発コンサルタントである。
又、数社の経営をしている経営者でもあるが、人を育てるということは本当に奥が深いテーマである。
結論を先に言えば、人間は「自分の経験体験の中にしか確信を得られない」ということである。
ゆえに、最高の上司とは限界突破の体験をさせてくれる上司であり、そこから部下に対して真の自信を育てることが出来る上司ということがいえる。
これは大変難しいことである。
子育てもそうだが、子供を失敗させないように、親はいろいろ先回りしてあの手この手でサポートする。
しかし、それは時にサポートではなくヘルプになりその子を弱くしてしまうことにもなりかねない。
いわゆる過保護、過干渉という現象になる。
これは長期的に見て、お互いにとって良い結果を生み出すことは無い。
しかし目先だけ見れば、よい結果をつくれる。そこでつい口を出してしまう訳だ。
仕事上で人を育てることも同じで、上司は部下に対して転ばぬ先の杖で、つい口を出してしまいがちだ。
難しいテーマである。
唯、答えは一つ、成果を失わずにしかも本人の成長につながるマネジメント技術を体得し、個人を尊重し、経験や体験を積み重ねさせながら人を育てていくことである。
限界突破の体験をさせることなしに人は育たない。
限界突破すると人は泣く。感動があるからだ。
それゆえ上に立つものには器、すなわち部下に対する深くて大きな愛情が求められる。
目先の損得を越えて、大きな観点で人育てをしていきたいものである。
人を育てるには忍耐が求められる、親の深い愛が解るのは自分が子育てをしたときというのが一般的だ。
人の上に立つものは最高の仕組みを創り、その仕組みの中で本人に自主的、自発的にいろんな経験体験を積み重ねさせ、実行、実践の中から本人の中に真の自信と確信を育てていきたいものだ。
それが出来る人間が最高の上司である。

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