勝利者の笑顔

日曜、私達がメインパートナーを務めている
アチーブメント全日本F3選手権」のチャンピオンが決定した。
今年のチャンピオンは若干19歳の国本雄資選手である。
国本選手のお兄さんも大変優秀なドライバーで、
ご兄弟で活躍をされている。

私が土曜日のレース終了後に行っている
「ドライバーズ勉強会」でも、真剣に話を聞いてくれており、
国本選手の中にある向上心や、
プロドライバーとしての志の高さを感じて、
私の中にある眼に見えない共通の波動を確認し、
嬉しく思った次第である。

人間の資質」というものは、先天的な特質がまずあり、
もともと持っている本質的な資質と言ってもよいと思う。
歌の上手い人は、
兄弟もやはり歌が上手かったり音楽のセンスがあったりするが、
才能の本質にあるものは、
まさに、天から与えられた資質と言ってよいだろう。

それに対して、その人の育った環境や、
その人自身が置かれている環境といった要因がプラスされる。
これらが、その人自身の総合的な
マインド・ノウハウ・スキルを磨いていくことになる。

一つの例でいうならば、語学を身につけるには
日本で英語学校に通う事も一つだが、アメリカに実際に渡り
そこに住んでしまう方が、英語を使わざるを得ない環境なので
英語の上達が早い事は、説明する必要が無い。

つまり、環境がその人自身を成長させるという事である。

これは私達の人材教育の仕事に関連している事だが、
一番大事な事は、「本人の選択」という領域が一番最後にあり、
どんなに良い資質を持っていても、その資質に気づかなかったり、
また、どんなに良い環境があったとしても、
その環境を活かしきる事が出来なければ、
本人の成長は期待出来ない。

ただ、一般的には、
子供の頃の本人の資質と環境で、社会に出る時に、
その人の人生のほぼ8割は決まっていると言っても過言ではない。
何故ならば、余程のことがない限り社会に出て、
自分を変えようという気持ちを持つことはないのが
一般的な人の共通項である。

何かインパクトのある出来事が無い限り、
人はそのまま自分の価値観を中心に自分に合った友人や仕事を選択して生きていく。
自分に合えば良い人、合わなければ嫌な人と思い、自分に合った人と交際していく。
成功タイプは成功タイプと仲良くなり、
うまくいかない人はうまくいかない人どうしで群れる。

中には極稀に私のように、社会に出てから心のスイッチが入り、最後の本人の選択で、
自分自身の目的・目標に向かって最善を尽くそうとする人もいる。

そして、自分の願望故に、方向性をもった努力をし、自分自身の本来の才能・能力を開花させ、
プロ職業人として自分の道を極めていく人がいる事も事実である。

私自身は、子供の頃に豊かな家庭環境で育ったわけではないが、そこで逆にハングリー精神が養われ、
自分自身に内在する可能力を最大限に引き出し、貪欲なまでに自分自身を高めてきた。
その結果、物心共に豊かな人生の実現という現象が、今起こっているのではいかと考えている。

国本選手と話をしていて、彼の志の高さと将来性を感じ、応援したい好青年だと思った。
彼は現在19歳だが、恐らく来年は、「Formula日本」というモータースポーツの国内最高の舞台で走る事になるだろう。

そして、小林可夢偉と佐藤琢磨に続いて、F1の世界に大きく羽ばたいてもらいたいものだ。

国本選手を育てられたのは、ル・マン24時間レースの
日本人で初めてのチャンピオンである関谷正徳さんだ。
関谷さんは、トムスという会社で、現在、
若手選手の育成と最強のチームの監督として、長年に渡り、
日本のモータースポーツに貢献をされている方だ。
関谷さんとトムスいう素晴らしい環境があって、
国本選手という素晴らしい人材が育っているのだと思う。
そして、トムスというチームに選ばれる事自体が、
資質の高さを物語っている事だとも思われる。

毎回、レース会場でトロフィーを渡し、第一線で夢を持って
目を輝かせて頑張っている若い人達に関わる事が出来るのは、
私にとっても大変嬉しい事である。

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