任せて任せず。人の力を効果的に借りる。

私は長年、松下幸之助さんの経営を研究をしてきました。松下幸之助研究の第一人者である元株式会社PHP研究所の佐藤悌二郎さんとも共著で「松下幸之助に学ぶ判断力」を出版していますが、幸之助さんの経営観・事業観は経営者をはじめ、多くのビジネスパーソンにゆるぎない指針を与えてくれます。

松下幸之助さんは「なぜ、あなたは成功したのですか?」という問いに対して、3つの要因を挙げられたとそうです。

1.貧乏だったから
2.病弱だったから
3.学歴がなかったから

普通に考えれば、この3つは成功の妨げになると思われるかもしれませんが、幸之助さんはむしろ自分にとっては良かったと発想され、病弱で身体が弱かったからこそ、人を育て、人に任せることができるようになったと仰っています。私も人生は有限であり、個人でできることには限りがあるからこそ、人の力を借りることが、物心両面の豊かな人生を手に入れるために必要不可欠な技術であると考えています。

では、どういう人の力を借りれば良いのでしょうか。私は社員を家族だと思っていますし、全員の成功を願っていますが、重要な仕事を任せるときには、行動を見ながら、期待に応え続けてくれる人間に任せるようにしてます。行動こそが真実です。ただし、幸之助さんも「任せて任せず」と仰っていますが、どんな仕事であろうとも、全てを任せることはしません。経営者や管理職の人は、絶対に自分で最後は握らなければいけません。人を信じて、任せるということは、コントロールが自分から相手に移ります。爪の甘い経営者や管理職の人は、社員や部下は最善を尽くしてくれるだろうという期待から、全てのコントロールを委ねてしまい、上手くいっていないケースが多く見られます。信じたいというのは精神論であり、無責任です。

私は、最終成果から逆算をしたプロセス管理をした上で、プロセスの実行は任せますが、適時適切に報告を求め、的確な指導や助言を行います。その過程が社員の育成にも繋がり、委ねられる範囲が広がっていきます。その結果、社員の自己実現にもなり、私も私がやるべきことに時間を使えるようになるのです。

命とは時間であり、時間は有限です。是非、人の力を借りることと、自分で責任をもち自分が行うことを区分し、納得のできる人生を共に歩んでいきましょう。

28年間にわたり、経営者や各分野のプロフェッショナルに伝えてきた「目標達成の技術」を30分の動画に凝縮しました。
28年間にわたり、経営者や各分野のプロフェッショナルに伝えてきた「目標達成の技術」を30分の動画に凝縮しました。

中小企業経営者のための
高収益企業を実現する
2つのポイント

売上56億円、経常利益18億円、従業員200名の企業体を実現した経営手法を2つのポイントから解説します。

TOP