主観を絶対視しない

アメリカの精神科医、ウィリアム・グラッサー博士によれば、
私たちの外側にあるものはすべて情報にすぎない。
私たちは、それを知覚のフィルターを通して認識している。
私たちは、物事を完全に客観的に見ることはできず、
認識した時点で、何らかの自分なりの視点が入りこんでしまう。

だからこそ、同じことを見ても人によって意見が食い違ったりする。
過去の過ちをあれこれ口論したり、言った言わないの議論をしたりしても意味がないのは、
それぞれ知覚している現実が異なるからである。

しかし、うまくいかない人は、自分の主観を他者に押し付けてしまう。
自分が知覚している現実を、周りの誰もが同じように見ていると考えてしまうのだ。
だから、相手のことが理解できない。

人は誰もが5つの基本的欲求を持ち、それぞれの強さのバランスは人によって異なる。
この違いが性格の違いを生み、事実に対する認識の違いを生み出す。

例えば、愛・所属の欲求の強い妻と、自由の欲求の強い夫がいて、
過去の夫の浮気について口論していたとする。
妻は、夫が裏切ったと考え、夫は妻の束縛に耐えられなかったと考える。
いつまでも議論は平行線である。

人はそれぞれ異なる欲求を持つということがわからないと、相手のことを理解できないのだ。

スタンダードコースの中でもお伝えしているが、
「主観を絶対視しない」ということは非常に重要である。
相手は違う考えを持っているかもしれないということであり、
その背景は、相手の欲求は私とは違うということを知っていなければならない。

私が尊敬する松下幸之助さんも、「衆知による経営」ということを述べられている。
みんなの知恵を集めて経営をするということだ。
これも、松下幸之助さんが自分の主観を絶対視せず、
色々な人の色々な意見を経営に役立てようとした姿勢の現れだと思う。

主観を絶対視せずに、冷静に物事を判断するための第一歩は、
相手は自分と違うということを認めることである。

「違いは違いであって間違いではない」
と私は伝えているが、違いを認めることが良い関係性をつくる基本である。

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