人事制度設計においていちばん大切なこと

これまでも多くの経営者の経営相談に乗ってきたが、
会社の発展のフェーズに応じて、
本格的に人事制度を構築する必要性は必ずでてくるものだ。

しかし、ゼロから制度設計をするのはハードルが高い。
なかなかうまく制度が機能しない企業は、
どこか社員を監視し、サボっている社員に罰を与えるために、
人事制度を作ろうとしていることが共通点としてあげられる。

間違っているとは言わないが、
それは外から刺激を与えて社員を変えようとする
「外的コントロール」のアプローチだ。
長期的には会社や経営陣に対する信頼が失われ、
組織が衰退してしまいかねない。

人事制度設計において最も大切なのは、
社員が自己評価し、内発的に育つ仕組みであることだ。

いまいる社員に焦点を当てて変えようとするよりも、
理想とするモデル社員の条件を明確にし、
既存社員がそれを目指したいと思える状態を作ることである。

その条件を、マインド・スキル・ナレッジに分けて定義すること。
とくに、スキル・ナレッジもさることながら、
マインド面の価値観教育を果たせる仕組みにすることが大切である。
例えばアチーブメントでは、自分さえ良ければいいという
利己的な価値観の持ち主は、成果を出していても、
昇進昇格をさせることはない。
管理監督者や部門長・執行役員・取締役へと
上がって行けるのは例外なく、仲間に尽くし、
会社全体のことを考えて行動できる利他的な人だ。
これも抽象的な概念ではなく、
アチーブメントフィロソフィーという
7つの行動規範を設けたり、判断力・実行力・リーダーシップという
3つの観点で役職に必要な人徳のレベルを定義し、
上に上がっていきたい社員にとって、
期待されていること・課題や
必要な自己変革ポイントがわかるようにしている。

この情報は平等に開示されているので、
求める社員はとことん求めて、
自分自身のキャリアをデザインしていくことが可能だ。
強制や罰則などではなく、
仕組みを通して内発的動機付けを促していくということだ。

ぜひそのような視点に立って、
人事考課制度の設計に取り組んでみることをお勧めする。

さらに人事考課制度について理解を深め、
どのように設計、運用をしていけばよいのか、
1つのプログラムに凝縮した。
ご興味のある方はぜひ活用していただきたい。

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